私の名前





「ごめんねってばー!…大好きだから許して?」

私が甘えると許してくれるのはいつものこと。


「っ…本当ずるいよ鈴音は…」


今回もいつものように許してくれ…

「でも今回はだーめ」
…ませんでした。


「鈴音、こっちに来て」

こんな時は連夜に従うのが身のためだ。


連夜の近くに寄ると、私の腕を引いた。

「え?…キャッ!」

気づいた時には連夜の膝の上にいた。


「も、もう!連夜!!びっくりするで」
「ねぇ、鈴音。キスして…」

そう言って目を閉じる連夜。

…本当に連夜はずるい。

本当にずるいのは連夜だと思う。

私は何度あなたに恋をするのだろう。

綺麗に整った連夜の顔に近づき、触れるだけのキスをした。


パチッとすぐに連夜の目が開いた。

「…足りない」

気づいた時には、再び唇を塞がれていた。