1年半。 ここまで私が壊れなかったのは紗奈のおかげだ。 そして受験を控えた時期。 やっと連夜を私から離してあげられる覚悟ができた。 私は海外の大学を受けることにした。 紗奈は寂しいって止めてくれたけど、私の決意は硬かった。 連夜には県外の大学だと言ってあるし、先生にも留学することは誰にも言わないでほしいとお願いしてある。 連夜は、紗奈と朔久君と同じ大学を受けるらしい。 私の大学が県外だと知ると『絶対に会いに行くから』と言ってくれる連夜に曖昧な笑顔を向けることしか出来なかった。