皆さんの盛り上がり様は一年の内で、最高潮にございます。

本日は、我が学校の文化祭なのです。

普段は恐ろしい強面の教師すらも、あの浮かれ様でございます。

私はと言いますと、ケースから出した丸裸のリョウさんを携え、ある場所を目指しておりました。

間もなく、有志発表が始まるのです。

我が学校の文化祭は、2日間にわたって行われます。

1日目は、体育館で合唱など、様々な発表事が。

2日目には、学内全体を使って、たくさんの模擬店が開店いたします。

今日は、1日目です。

私にとって、今日は決戦の日でもあるのです。

今は吹奏楽部として、でなくても音楽室を使わせていただける存在として、認めていただくために。

合奏については、その次です。

この有志を発表した後、どなたかが関心を持ってくだされば、私にとってはそれだけで、幸いでございます。

私は体育館の舞台裏の扉から、中に入りました。

舞台上では、既に私の順番の一つ前の男子5人組が最近、流行のアーティストの曲を踊ってらっしゃいます。

軽快でテクノポップ、と云うものでしょうか。

私は、そちらは心得ておりませんでしたので、よくわかりませんが、そのような曲です。

技術も非常に高く、見惚れてしまいます。

たくさん練習をされたことでしょう。

そして、次はあの舞台に、私が立つのです。

そう考えると、武者震いがいたしました。

大きな音が止み、一瞬その場が静寂に包まれました。

その直後、歓声が沸き起ったのです。

私もあのように、受け入れていただけるでしょうか。

いいえ、それよりも心が落ち着かず、騒いでいるのです。

人前で演奏することは、過去に何度でも経験いたしましたが、今日は私の独壇場なのです。

さあ、大いに暴れ回りましょうか。