しばらく俺は、理解できていなかった。

後輩も俺の隣で、同じ様な顔で居る。



「もう付き合っちゃいなさいよ」

「え…?俺と江波先輩が、っすか?!それは流石に──

「違う」「あんた、何言ってんの?」



俺には、幼馴染の言いたいことがわかってしまった。



「まあ、私にはどうだっていいんだけど」



幼馴染は、そう言い残し去って行った。



「そんな…どうにもならんだろ…」



誰も待っていない答を、一人で小さく呟いた。

そのような俺を、不思議そうな目をして、後輩が見ている。

そりゃ、どうにもなる筈がない。

俺は出来るだけ思い出さないようにしているが、是非、思い出してもみてほしい。

あのような出会い方だったのだ。

深海魚の君は、俺をどう思っていることか。

考えてもみてほしい。







Scene 14 躍動する若人たち