とにもかくにも、この後には俺たちも練習に参加する予定だ。

今まで慣れぬ、勉強などというものをしていた。

体が疼いて、仕方がないのだ。

俺を含め、チームメイトたちも落ち着かない様子で居る。

そうとは言いつつ、後輩にヤジを飛ばし続ける。

今まで一緒に居た場所、そして仲間たちとの親近感。

そして、何より自分の中に感じるものは、嫉妬だ。

組織というものは、世代を交代しただけで、色が変わってしまう。

俺たちの居場所は、そこに在るようで無い。

そこは、今までと同じ場所であるらしいのだが、もう何かが違うのだ。

もう、そこに居られない。

酸素を思いきり取り込み、胸の辺りの奥深くで引き篭もっている靄を、鼻からゆっくりと押し出す。

何気なく青空を見上げると、後方から足音が聞こえた。

俺は、すばやく振り返る。

ああ、案の定だ。

俺の背後には、歩く深海魚の君の姿があった。

しかし、深海魚の君は、立ち止まろうとはしなかった。

いつもであれば、上品に微笑み、駆け寄って来くれるというのに。

少しだが、淋しい想いがした。

本当に、少しだけだ。

そして、少し気になったことがあった。

あれ程にも熱心にしていた部活動の方は、一体どうしたのだろうか。

幼い頃から続けている吹奏楽だったはずだ。

幼い頃から共にしている楽器を相棒、愛人とまで呼んで。