それは、一つ前の休み時間のことである。

俺は、今後の進路の関連で、職員室に呼び出されていた。

職員室の扉を渋々開くと、不意に正面から衝突してきたものがあった。

見下ろすと、そこには深海魚の君の姿があったのだ。

ああ、また彼女を転ばせてしまった。

俺は、不安や恐怖心から、態度を落ち着かなくさせてしまう。

そのような状況でも、目の隅に入ったものがあったのだ。

床に張り付いているかの様に、伏せているA5サイズの紙だった。

それが、俺を驚愕させた原因である。

その時は何も知ることのない俺が、それを拾う。

題として『数学 小テスト』と、お世辞にも綺麗とは言えない、教師の字で書かれていた。

そして、俺が驚いたのは、その後だった。