母が亡くなってからのことだった。
高校のときも言われたことがなかったのに、短大で付き合っていた彼にも、友達にも言われた。
「なんか変わったよね、しっかりしたっていうかさ」
友達にも彼にもお母さんが亡くなったことは話さなかった。
どうして? と聞かれるのが嫌だった。
「俺も。聞かれたらどっか行ったって言ってる」
海都が淡々と話すのを聞いた。
「急に帰ってこなくなって、捜索届を出そうとしたら、警察が来て」
それをまだ幼かった葉苗と星子は知らない。
「知らない男と一緒に死にました、なんて笑えないし」
メニュー