私には小さい頃から一緒に過ごしてきた大事な友達がいる。
その子の名前は永塚愛梨紗(ながつか ありさ)。私と同じ年で、高校までずっと一緒だった。
私と愛梨紗は昔からよく似ていると言われてた。だから、便乗して双子コーデとかよくしていた。それぐらい仲がよかった。今は栃木と東京で少し離れているけど、時々連絡を取り合っている仲だ。
それに、愛梨紗は私の良き相談相手。
困ったことがあるといつも相談にのってくれる良き友達だった。
そう、あの時もそうだった。あの時も‥
高校1年の秋。学校にも少し慣れ、余裕が出てきた頃だった。
私に初めての彼氏ができたのだ。
「須永英莉紗さん!好きです!付き合ってください!」
私は迷わずオーケーを出した。
相手は1つ年上の高校2年生で、とても優しくて紳士的な人だった。
「ねぇ聞いて愛梨紗!!私ね彼氏が出来たの!!」
嬉しさのあまり私は愛梨紗に報告したぐらいだった。
「そうなの!?相手はどんな人なの?」
「相手は1つ年上の先輩なの!もう、かっこよすぎてさ、しかもものすごく紳士的なの!私、こんなに幸せなことなんて今までなかったよ。」
「それは、よかったね!英莉紗、先輩に愛想つかされないように気をつけなよ?」
「うん!」
愛梨紗は笑いながら私のことを応援してくれた。
だけど1ヶ月たった頃だった。
愛梨紗が言ったのだ。
「英莉紗。悪いことは言わない。あの先輩とは、すぐに別れた方がいいよ。」
「は?なんで?」
私には愛梨紗がなんでそんなことを言うかわからなかった。
あんなにも、応援してくれたのに‥
「わかった!愛梨紗、私に彼氏が出来たからちょっと妬いてるんでしょう?大丈夫だって、愛梨紗にもその内いい人できるよ。」
「そんなんじゃなくて。私は友達に好きな人が出来ても妬いたりなんかしない。とにかく、あの人は英莉紗が思ってるほどいい人じゃないよ!」
私は愛梨紗にだんだん腹が立ってきた。
「先輩と話したこともないのになんで、そんな風に言えるの?愛梨紗が勝手に言ってるだけでしょう?」
「ち‥違う!」
「‥次、先輩のこと悪く言ったら愛梨紗とは絶交するから。」