「なに、あいつ。今更過ぎない?」


「ははっ……」



──止まらない。
ドキドキが止まらない。

別れを告げたのはあたしだけど。
まだヒロを好きなのもあたしだから。
でも、もう自分を守りたい。
傷つきたくなんてないから──



「あー、ヒロくんおはよう」



ヒロが仲良くしてた女の子がヒロに向かって走っていく。



「まーた寄ってきた。どうせ変わんないでしょ」



かすみが呆れたように言う。



「ごめんね、もう俺に簡単に触らないでもらえるかな?」


「え!?ヒロくん!?」


「俺いま片思いしてるから。余計なことで乱して欲しくないんだ。じゃあね」



ヒラヒラと手を振って、彼女の腕を離す。



「あいつ、本気ね」


「うん……」


「どうすんの」


「どうもしない」



惑わされちゃだめだ。
きっと付き合ったらまた元に戻る。

このままでいい、リセットだ。

だから、新しい恋を見つける。