「ありがとう。これからは2人で言い合おう」



ヒロの言葉が嬉しかった。
だから、あたしも。



「毎日、愛してるって言うね」



なんて、ヒロの言葉よりも1レベル上の言葉を言ってみる。



「なに、競おうとしてんだよ」


「上にいきたいじゃん」



変なとこで甘い雰囲気なんてなかなか出せないあたしたち。
これがあたし達なんだろうな。



「好きとか、愛してるとかそんなんじゃなくて。ここに心結がいてくれるそれだけでいい人生だって思えるんだよ」


「……ヒロ」



ヒロのくれる言葉はいつだって、あたしに一直線で、思わず目を逸らしたくなることもあった。
でも、いまは逸らしたくない。



「好きだよ、だからちゃんと付き合って」


「はい……ってちゃんと付き合ってなかったの!?」


「ははっ!ほら、俺だけだと思ってたからさ。俺手も出してないだろ?」


「あ……」



そういえば、手を繋いだり抱きしめられることはあったけどキスすらしてない。