「はぁ!?織田と付き合い出した!?」



ヒロと付き合うことにした翌日。
食堂では、そんなかすみの大声が響き渡った。



「かすみ、声大きい」



慌てて、立ち上がったかすみを座らせる。



「だって、どうして……」



少し悲しそうな顔をするかすみは多分、また悠貴とあたしが付き合うことをのぞんでいた。



「昨日ね、見たの。悠貴が彼女といるところ」


「……そうなんだ」


「驚かないんだね?」



かすみは悲しい顔をするだけで、特に驚くこともなかった。



「……うん。彼女いるの知ってた」


「え?」



誰も悠貴とは連絡が取れないというはなしだったのに。
なぜ、かすみは知っていたのだろうか。



「ごめん、黙ってて……大学に入ってすぐに悠貴くんとは1度会ってるの」


「……会ってる?」



そんなはなしを一度も聞いたことがなくて、心の中がザワつくのを感じる。