「言えねぇの?」


『……好きだからに決まってんだろ』


「……そっか」



好きな気持ちを責める気にはならなかった。
俺が好きな女だから、他のやつにも魅力的に見えるのは当然のことだし。



『怒らねぇの?』


「ん。可愛かったからとかたまたまキスしたいとこにいたのが心結だったってんなら殴りにいくけどさ」


『……うん』


「でも、好きだから気持ち抑えれんねぇってのはわかるから今回は許してやる」



中学からうちの学校に転校してきたカズとガク。
違う小学校だったけど、サッカーがうまくて有名な双子でふたりのことは会う前から知ってた。

で、俺がふたりの転校してきから初めての友達ってやつになったんだよな。



『もう、悠貴を裏切るようなことはしないから。ごめん』


「俺より心結に謝れ。ま、こんなことでカズと友達やめるつもりもねぇから」



カズもガクも、ヒロも。
俺にとっては大事なサッカー仲間だから。



『また、ただのサッカーバカに戻るわ』


「お前にはそれがあってるよ」



俺らは俺らの友情を繰り広げていけばいい。