「心結、キスはしたことあるよね」


「そ、そりゃあ……」



悠貴の的を得てない質問に答えながら、ドキドキがとまらない。
止まれ……。
ドキドキ止まれ……。
悠貴に聞こえちゃう。



「そうだよね、ヒロとしてるよね」


「う、ん」



なんでこんなことを言ってくるのかわからなくて、とりあえず目線は外のままにしておく。



「ふーん。あっ!」


「え!?」



声にびっくりしてバッと悠貴を見る。



「……っ」



その瞬間、軽く触れた。
あたしと悠貴の唇。



「心結、かわいいね」


「……なんで?」



あたしのドキドキは止まることを知らなさそう。



「心結が可愛いからかな」


「ば、バカ……」



可愛いからってキスなんてしないでしょ。



「お疲れ様でしたー」



係員の人の声にハッと我に返る。



「……どうも」



係員にお礼を言って、走って観覧車からおりる。