「おはよー。心結っ!昨日は大丈夫だった?」



かすみが肩をポンっと叩く。



「大丈夫だったよー。ごめんね」


かすみに手をあわせて謝る。



「あれじゃ、仕方ないよ。まったく織田のやつ……」


「ヒロもヒロで傷ついてると思うから」



自分のことを好きだと言ってくれてるヒロに対して、あたしはその友達に気持ちが向いてるんだもん。



「悠貴くんは?気にしてた?」


「さぁ?どうだろ」



あたしは首を傾げる。



「昨日は電話きてないの?」



かすみの言葉に首を縦に振る。



「電話しないの?」


「なんかできなくて……」



ため息をつく。



「恋する乙女だーっ」



あたしの頭を撫でる。



「からかわないでよー」



本当は連絡しようと思った。
でも、昨日のことどう思われてるのか。
何かを告げられるのが怖くて、何度も悠貴のLINEを出しては、手を止めていた。


好きだと思ってしまうと、臆病になってしまうようだ。