「おい!!真っ直ぐ走れよ」

「アホ言え!藤井の方が私より重いんだから、バランスうまく取れないの!」

「ハイパワー夏乃マンなのに?嘘だろ」

「あのね、か弱いから、夏乃ちゃんか弱いから」


やっぱり、楽しい。


藤井の側は心がぽかぽかして、温かくて、くすぐったくて、とっても居心地がいい。


「ねぇ藤井」

「今度はなんだよ」

「今日はチャック開いてないでしょうね」

「そうそう開いててたまるかよ」

「告白した後に、まさかのチャック開いてるの気づいたこっちの身にもなれよ」


新しい恋も探さなくちゃな。


私の青い春は、まだまだこれからだもん!


「夏乃、お前 スカートの下なんか穿いてる?」

「は?パンツはいてるに決まってんじゃん」

「ジャージとかは?」

「はいてまっせーん」

「それでチャリこぐなよ、アホじゃねぇの」

「はぁ?いっつも藤井がこげって言うんじゃん!何なのよまじで」


「あー、そっか」なんて、珍しく納得してしまった藤井が今何を思ってるのかはサッパリ分からないけど、


「明日っから俺がこぐわ」

「なに?なんの風の吹き回し?」

「気分だ、気分!最近、ちょっと太ったし」

「メタボまっしぐらか」


私は明日もまた、藤井の側にいれる幸せを噛み締めている。