ってことで私は速水とも、めぐとも話すことはできずに
ひたすら凰成の横を歩いていた。
速水は伊織くんと、めぐは竜司くんと仲良く話してて
……私と凰成だけが静かに歩いてる。
つまんない。
そもそも、私のために友達を呼ぶことを許可してくれたんじゃないのか?
なんで私が凰成の隣なんだ?
ねぇ、竜司くんポジション間違えてるよ。
私がそこがいいよ。
…あ、そういや凰成は私が友達誘うこと嫌そうだったな。
だからこんな不機嫌なのか?もしかして人見知りなのか?
よくわかんないなぁ…
「ねぇ、凰成」
「あ?なんだよ」
「今日の朝は魚、お昼はお肉、夜は魚
明日のお昼はなにがいい?」
「もう明日の昼の話かよ」
……だって、無言じゃつまんないんだもん。
楽しく…は、無理でもさ
ちょっとくらい会話はしたいじゃん。
「明日は麺類だな。
さっぱり系」
「ん、了解」
麺類かぁ…さっぱり系……
「あ、明日もテイクアウト?」
「そう。
毎日今日のところで食う」
「……あんなんでいいの?」
「昼くらい静かに食いてぇんだよ」
今日のお昼はまさかの校外、近くの川の土手だった。
こいつがそんな普通すぎるところで食べるのは正直以外だった。
なんか…外でご飯とか食べなさそうなのに。
「でも、私あんなところ知らなかったし静かでよかったね」
「人がいないしな」
決してきれいな訳じゃなかったけど…でも、人がいなくて通らなくて
解放感はあるのに二人きりな時間が、ちょっと楽しかった。
……あのときはね。


