「おい」
「うわっ」
速水とヤイヤイ言い合いをしていたら私の首に凰成の腕が絡み付いて
思いっきり後ろに倒れれば、凰成の体にドンッと私の体が当たった。
これが甘い雰囲気ならラブラブなカップルに見えるかもしれない。
でも、私たちにそんな空気は皆無だ。
「く、くるし…っ」
「時間を無駄にしてんじゃねぇ」
わかったから腕を離せ!私を解放しろ!
私を殺す気か!!
「ねぇねぇ、名前は~?」
私が凰成に殺されかけてる頃、伊織くんはもう向こう側でめぐと速水に話しかけてるし。
誰か助けてくれ。ねぇ。
私、首絞められてます。誰かこの絡まってる腕をとってください。ねぇ。
「吉良さん、そろそろ希依さんが…」
さ、さすが頼くん!さすがだよ!!
「…ったく」
「……はぁはぁはぁ…
殺す気か…!」
「お前は俺の姫としてここにいることを忘れんなよ」
「忘れてないわよ」


