私と結婚してください。




でも、この人たちといると飽きることがなくて、遠いはずの普通科のエリアにすでに足を踏み入れていた。


「あれ、椎依?」

「え!?もしかしてもう新しい彼氏!?
もう別れちゃったの!?」


だって、私を椎依と勘違いするやつらがいるから。


「ちょっと!希依だけど!
間違えないでよね!」

「えぇ!?希依なの!?
……あー、確かによく見ると希依だ。」

「でも希依、理数科に移ったんじゃなかったの?」

「そうだよー
でも今日はめぐと約束あるの!」


こんな感じすら、懐かしく感じてしまう。


「希依ちゃん友達多いんだねー?」


「そりゃ普通科は理数科と違って空気が柔らかいから。」


……そういえばこいつら4人は、小学生の頃から4人しか仲良くなかったのかな


「…あなたたちはずっと4人なの?
他に仲良かった子とかいないの?」


「んー、そういうわけでもないよ」


「他にもいたけど留学しちゃったやつもいたし」


「ですが、基本的に我々は身分の高い人たちとしか接することを許されていませんでした。
ですので友達らしい友達はかなり限られてしまったのが現状です。」


ふぅん…、そっか。
留学かぁ……

そうだよなぁ…


「とくに凰成とか竜司んちはかなりうるさいよな、そういうの!」


「え、じゃあ私が姫なんてやってていいの?」


「いいんじゃねぇの?
姫になったっつーのはお前の両親の許可もいるけど、俺の両親の許可もいる。
俺の両親が許可したっつーことはお前んちの会社の利益がいいとか、可能性があるとか、そういうことまで調べた上でだと思うけど」


……そんなことまで調べられているのか…
つ、つらいわ……