私と結婚してください。




バッグに荷物を詰めて、アクセサリーもつけて、戸締まり確認をして、

ようやく私たちは部屋を出て普通科に向かった。


「希依ちゃん、いつもそうやっておしゃれしてたらいいのに。
着飾んなくても可愛いけど、着飾ると可愛さ増すよ?」


「竜司君に言われてもすべて嘘にしか聞こえない」


「そうだな。
すべて嘘だと思ってた方がいい」


「だから希依ちゃんにはもう嘘やめたってば!!」


……でも、たった2日で私も大分慣れたものだ。
今はこの人たちと神楽の建物内を歩いていてもなにも違和感はないし
これから普通科に向かうということがすごく久しぶりな気がして

なんか、変な感じ。


でも、私がこんな高級な服を着て、しかもスカートで、その上ヒールの靴まではいてるのが違和感でしかない。

なにこれ、誰?状態。


これにもいつか慣れちゃう日が来るってことか。



「俺普通科入るのはじめてー!!」


「別に普通だったわ」


「普通科だけに」


「……普通科をバカにするな!!」


まったく、この金持ちどもは…!!