私と結婚してください。




「「えーー」」

なんて文句が二人から出てたけど、凰成はなにも言わずに部屋を出た。
こいつなりに、ちゃんと進歩してんのかな。


「あ、でも待ち合わせ場所普通科の校門にしちゃった。
ぐるっとすると遠いよね…」


駅に向かうより、この敷地をぐるっと半周する方が時間がかかりそう…
駅待ち合わせとかにすればよかったかな…


「でしたら寮を通りすぎて普通科に入ってしまわれた方が早いですね。
外周では少し時間がかかりますし、神楽の人間は構内どこでも入って大丈夫ですので」


あ、そっか。私はもう理数科なんだ。
普通科の人間が理数科に入るのは禁止されてるから外周が当たり前だったけど
理数科の人間は普通科の校舎に近づいてもいいのか。

寮は一緒だったしな。神楽が特別なだけで。


「…でもなんか、みんなと一緒に普通科入ると目立ちそうだね」


「そうでもねぇよ」


「別に俺たち、そんな有名人じゃないよ?」


……いや、でもめぐは知ってたよ?二人のこと。
吉良凰成に、神崎竜司。

だからきっと、伊織くんと頼くんのことも知ってるし、みんなも知ってると思うよ。




私は知らなかったけど。