「吉良の姫の高梨さんだっけ?」
「へ?」
声がして前を見たかと思えば、イケメン先生が笑顔で竜司くんの横に立っていた。
「普通科からだと大変だと思うけど、姫として頑張ってな」
「……ハイ」
「次の授業まであるし、高梨は宿題と一緒の提出でいいよ。
姫のせいで吉良が授業に遅刻、なんてそっちのがシャレになんないからな」
眉を歪ませつつ優しく笑う先生になんだか胸がときめくよ。
いいなぁ。普通科にはこんな先生いなかったよ。
「…高梨?」
「あ、はい!
じゃあ次の授業いってきます!」
「おう、頑張ってな。
吉良も最初のうちは色々教えてやれよ。普通科から引っ張ってきたのは吉良なんだからな」
「はいはい。
でももうすでに全部教え済みだわ」
「……先生には敬語を使えよ?」
また優しい笑顔で、凰成の肩に優しく手を乗せて、先生は教室から出ていった。
「……っていうか先生の名前は?」
「森谷嘉一(もりや かいち)。
あの人も神楽は今年初なんだとさ」
「へぇ、まぁ若いもんね」
「それより、次書道。さっさとしろ」
「あ、そうだった!」
えーと、タブレットと…
……何を持っていくんだ?
「頼くーん!!」
どこへいった~!!


