「…ところでさ」
放課後はいいんだよ。
放課後のことはもう昨日頼くんからちゃんと聞いたよ。
問題は、今日からだよ。
「あ?」
「学校では私はなにをすればいいの?
出席の返事とかあんの?準備は?
ここに座ってただ授業聞いてればいいの?」
「あぁ、頼に聞いた方が分かりやすいと思うけど
授業の準備をしてるやつもいるけどそれくらいは自分でやる。」
お、おぉ…、自分でやるときもあるんだな。
えらいぞ、凰成…!!
「まぁお前が頼くらい使えんなら話は別だけど
とりあえずお前が俺の足を引っ張らなきゃそれでいい。」
……それはつまり…
「はは、希依ちゃん頼られてないじゃん」
「う、うるさいよ!」
「まずはテストで赤点をとらない努力をしろ。
余計なことはすんな。
クラスのやつらと仲良くもしなくていい。こいつらだけでいい。
とにかく、安易に人を信じたりもすんなよ。」
「ハ、ハイ…」
「竜司も信用できねぇけど、人を傷つけるタイプではない。
でも他のやつらはそうじゃねぇ。
いいか?理数科では絶対に俺のそばを離れんなよ」
「え?う、うん」
理数科では…?神楽だけじゃなくて?
……そんな怖いところなの?ここって。
「希依ちゃんは普通科から来てるから余計に妬まれるしね~」
「妬まれる?…誰に?」
「理数科の生徒に。
普通科の人はあんまり知らないみたいだけど、理数科だとここ、神楽に来たい人たくさんいるからさ。
理数科では受けられない進んだ授業を受けたいやつもいれば、玉の輿狙いで来る女の子もいるし。」
「……玉の輿…
そっか、異性なら恋人になる可能性もあるもんね」
実際、ここにいる主人と姫が異性同士のところはかなりのラブラブ度合い。
こんなにさっぱりしてるのは私と凰成だけで、伊織くんと頼くんの方がまだラブラブだもん。
「ま、そういうことだから空席狙いの女は多い。
神楽の空席は竜司の姫だけだ。
もし竜司が姫を決めたら、今の姫を辞めさせて空席を作るのが一番手っ取り早い。
で、辞めさせるならこの中でお前が一番簡単だから狙われやすいってわけだ。」
「わかった。凰成から離れない。」
「ずいぶん聞き分けがいいな。」
だって…、怖いじゃん!!
狙われる!?
なにに!?
誰に!?
どうやって!?
想像すらできないから余計に怖いよ!!


