━━食事を終え、部屋に戻ると
「希依」
すぐさま凰成は私を呼んだ。
「なに？」
「これ」
「…なにこれ」
「携帯。正確にはPHSだけど
電話が使えねぇのは不便だろ」
「誰のせいよ…」
「とにかく、お前はこれを使えよ。
俺と伊織と頼と竜司以外には教えんなよ」
「家族にも？」
「当たり前だろ。妹も絶対なしだからな」
「はいはい、わかりました」
ま、こいつなりに私に気を使ったのかな。
本当はロックの解除番号を教えていただきたいところだけど。
「それから」
「なに？」
「……友達と遊びたいときは言えよ」
「…へ？
え、それって速水とかもいいってこと？」
「ちゃんと言うならな」
うわぁ…、優しくなってる…
こいつ、ちゃんと私のことも考えてくれてるんだなぁ…
「……ありがとう！」
「…さっさと歯磨いて教室行くぞ」
「うん！」
