「ってかさー、希依ちゃんなんで今日マスク?
もしかしていきなり風邪?」
姫がいない竜司くんは自分で食事の用意。
自分でできるなら凰成も自分でやってほしいよ。
「そういうわけじゃないんだけど
……まぁ、予防的な」
「なるほどね~」
…キスの、だけどね
でもこいつにはあんまり効果が期待できない気もするけど…
さてと、私も急いで食べないと。
けっこう、量も多いしな。
「……お前はいただきますって言わねぇのかよ」
「い、今から言おうと思ってたんだよ!
いただきまーす」
「ほんとかよ」
……忘れてたけどさ。
またドキッとさせられたわ、くそ…
「食事中に申し訳ありません。
希依さん、今日の昼食のオーダーはもう済まされましたか?」
「ん、あぁ!忘れてた!
凰成、なにがいい?」
「朝が魚だから昼は肉。
あとはお前のセンスに任せるけどくそみたいなセンスだったらあとで罰ゲームだな」
ば、罰ゲームって……
……聞くまでもないよな…ひとつしかないわ…
「……だから、そういう汚い言葉は使わないでください」
「お前のセンスが楽しみだわ」
……絶対絶対凰成好みにしてやる。
凰成の好みなんて知らないけど、なんとしても凰成好みにしてやる。
「…あ、昼はテイクアウトにしといて」
「え、なんで?ここじゃないの?」
「ここで罰ゲームでいいならいいけど」
「テイクアウトにしときます」
……って!絶対罰ゲームなんか受けないんだからね!!
早く食べてじっくり悩んでやる!!


