私と結婚してください。




「その指輪をわざわざ借りてきて希依さんにつけさせたということは
吉良さんももう決めたんですね」

「え?
…どういう意味?」


意味がわからず、そう聞いた瞬間


__コンコン、
と部屋の戸がノックされた。


「失礼します。
お車の準備が整いました」

「わかりました。
希依さん、向かいましょう」

「えっ、あ、うん」


…結局、意味聞けずじまい。


玄関には頼くんのご両親がそろっていて、初めて頼くんのお母さんに会ったからしっかり挨拶をして
今日もしっかりリムジンに乗り込んだ。


なんか、いよいよ始まるんだと思ったら
車内から私は緊張しまくっていた。


「…希依さん、大丈夫ですか?」

「う、うん…」


大丈夫、大丈夫。
向こうについたら凰成が一緒にいてくれる。

みんなも会場にいるんだ。


大丈夫。そんな心配することないよね…