私と結婚してください。




車に乗り込むと、すぐに私を送るために頼くんの自宅へと向かった。


「ねぇ、この指輪お母さんのなんでしょ?いいの?」

「あぁ、いいんだよ。
母さんには伝えてあるし」

「そうなんだ」


神楽の指輪には、しっかりと吉良家紋が小さく刻まれている。
そして、凰成のお母さんの指輪にはたぶん小さなダイヤが一列にびっしりついてる。

どちらもそこまで主張はしない分、ケンカは全くしていない。
相性のいい指輪だった。


「あ、そうだ。
希依、前やったアンクレット付けてる?」

「あぁ、うん
ずっとつけっぱなしだから」

「あれ、腕に付け替えとけよ」

「え、いいの?」

「どっちでもいいデザインだからな」


凰成がそういうから、車から降りる前に足首から外し、手首へと付け替えた。


「この文字、全然意味わかんないんけど」

「まぁ希依には読めないもんな」


まずこれ、何語なんだろ。
絶対に英語ではないよなぁ…


なんてしてたらあっという間に車は頼くんちに到着していた。


「降りるぞ?」

「あ、うん」