私と結婚してください。




化粧がされ、髪の毛をまとめられ、着替えも手伝ってもらい
1時間半後、やっと完成された。


「うん、上出来上出来」


色に派手さはないものの、艶とラメでキレイになった目元に、かわいいピンクのリップ
長くなった髪の毛はキレイに巻かれ、おしとやかなハーフアップ


黙って立ってるだけなら、本当におしとやかなお嬢様が完成した。


「……すごい」

「すっごい女の子に仕上げたよ!」


この全体的に控えめな私に、真っ赤なドレスがよく映える。
こんなに派手な真っ赤のドレスなのに、全然嫌味に見えない。

すごいバランスだ…


「イブニングドレスを着つけたのは久しぶりだな~」

「あ、そうなんですか?」

「うん。だってイブニングドレス着る機会がある人って、本当にごくわずかだからね。
普通結婚式ならワンピースとか。
こんな本格的なドレス、緊張しちゃったよ」


…そうだよなぁ。
私もイブニングドレスは初めて。
なかなか着る機会ないよなぁ…


「はい、靴ね。
ドレス、長いから踏まないように気を付けてね」

「あ、はい!」


ドレスでほとんど見えないけど、オーダーしたきらっきらなパンプスを履き、やっと完成。


「よし、彼呼んでくるね」

「あ、はい」


…にしてもすごいや。
本当にすごい。化粧もすごいし、髪の毛もすごいし、ドレスもすごい。

これが高梨希依?と、自分でも疑っちゃうレベル。
コルセットのおかげでくびれもちゃーんとできてる。…まぁちょっと苦しいけど


でもすごいスタイルよく見える。
足もドレスのおかげで見えないし。


「おう、できた?」

「うん!別人でしょ!」

「そうだな」

「…ちょっと。そこはお世辞でも否定してよね」

「はいはい。
それよりこれ」


そういって凰成から差し出されたのは、前に購入したネックレスとイヤリングだった。