私と結婚してください。




「あの、今日はパーティーがあるんです」

「あ、クリスマスだもんね?」

「はい。それで…いろんな人と話さなきゃいけなくて…
適当って、どういうことを話してるんですか?」

「一番楽なのは天気のことじゃない?
今日なんか寒いし、雪降ったらホワイトクリスマスですねーとか」

「……なんか、今聞くと本当に適当ですけど
でも確かに最初の頃はそういう話題でしたね」

「最初はそんなんでいいんだよ。
そこから仲良くなるような人とはもっといろんな話していけばいいと思うけど、そうじゃない人はそれっきりになるけど無駄に情報流さなくていいでしょ?」

「あー、なるほど」

「最初はあんまり自分のこと話さないのがポイント」


な、なるほど…
自分のことは話さない、か。

同時に、相手のこともあんまり聞かない方がいいってことか。
気をつけよ。


「あ、今日ドレスなんでしょ?
何色?」

「え、今日は赤です」

「オッケー」

「……あの、どうして色聞いたんですか?」

「ん?まぁイメージしたくて。
あと服と相性悪い色は使いたくないから」

「へぇ…なるほど」

「はい、目つぶってー」


そういって、私のまぶたに色を乗せる。
あの豪華な赤のドレスに、どんな化粧が乗るのか…

完成が楽しみで仕方ないよ。