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翌日は本当に服をオーダーしに行った。
しかも凰成のタキシードも。
私はイブニングドレス。
黒のレースの素敵なデザインを雑誌で見ていたから黒がよかったけど、
「却下」
受け入れてはもらえなかった。
「えー、なんでー」
「希依には似合わねぇ」
「…イブニングドレスって時点で似合わなくない?」
「にしても似合わねぇ」
「じゃあ何色ならいいの」
「まぁ、何色にしてもかぶるから、それなら少しでも目立つ赤とか」
そういって凰成が選んだ生地はサテンの真っ赤だった。
「えー…超目立つ…」
「その方がいいんだよ」
形も凰成が普通にオーダー。
私の意見は全くなしだった。
「ってかなんか、こんな寸胴が大丈夫かな」
「別に太ってるわけじゃねぇからいいんじゃね。
コルセットで絞めればメリハリも出るし」
「あぁ、なるほど」
「見えるのは腕、肩、鎖骨だな。
まぁそこらへんもエステとか行って流してもらえるらしいし」
「…詳しいね?」
「そこらへんは玲子に言われた。
早急に予約取れって」
「あぁ、なるほど」
そうだよなぁ。
凰成、そういうのには疎いし。
「まぁ腕はバイオリンやってたからか締まってるし」
…いやいや、バイオリンやってた頃はもっとたくましかったよ。
なんなら筋肉落ちたんだけどな…


