私と結婚してください。




***


その次の日から、私の”素敵な女性になるためのプロジェクト”はスタートした。


「俺的に、希依ちゃんは笑顔がちょっと可憐じゃないよなー」

「……伊織くんに言われたくないわ」

「はぁ!?せっかく言ってあげてるのに!!」

「だって伊織くんだってガキみたいにゲラゲラ笑うじゃん!!」

「いや俺は玲子の前ではもっと、ぶっ…!」


相変わらず言い合いをする私たちだけど、それも凰成が伊織くんにクッションを投げて終了した。


「希依、伊織なんかに振り回されてんな」

「……そうだね!」

「こら凰成!!どういう意味だよ!!」

「ってか頼の意見聞きてぇ」

「無視かよ!!」


…はは、面白。
伊織くんのこと、見事にかわしてるわ、凰成。

伊織くんが可愛く見えちゃう。


「私、ですか。
私は特に…神崎さんと同じく、希依さんは希依さんのままでも十分だと思います」

「だよな!?さすが頼!!よくわかってる!!」

「強いて言えば、マナーの勉強は必要かなと思います」

「マナー?」

「はい。たとえホームパーティーだとしても、吉良家主催です。
多くの有名人や実業家の方がくると思います。
そこで恥をかくのは、吉良家にとって避けたいことかと」


マナーかぁ…
まぁ確かに、凰成と知り合ってわからないことも多くあったしな…
この前のエビもうまく食べられなかったし…


「希依さんは内面ではなく、富裕層の中での常識も、ある程度必要になります。
吉良さんや私たちは希依さんのことを受け入れ、世間一般の常識に抵抗もありませんが、それに抵抗感を持つ方々も富裕層にはたくさんいて、それを見下す方もいます。
なので知識として、そういったマナーの勉強をしておいて損はないかと思います」


…なるほど、やっぱり頼くんは頼りになるよなぁ。
全然名前負けしてない。