それからひたすら考えを出すけど
なんか、全然ダメだった。

だって今まで、私たちは頼くんに助けられてきた側だから。


私たち、頼くんのためになにかできてたのかな…


あーだこーだしてる間に、伊織くんも戻ってきたし。


「……とりあえず、頼には会えねぇのかな」

「あー、それ思った。
頼の親父さんはいなくても、とりあえず頼に会うことから始めてもいいよな。
そもそも、伊織の指輪の件だってあるわけだし」

「…んじゃ、とりあえず頼くんち行く?」

「ってか頼に連絡つかねぇの?」

「俺昨日の夜からずっと連絡つかねぇ」

「…スマホ、没収されてんのかなー」

「ありえるー」


…なんか、つくづく私たちって駄目だな。
なんにもいい案浮かばないうえに、全然進展しない。


「…とりあえず頼んち行ってみるかー」

「だな。話はそれからだな」


そう言ってみんなで立ち上がったけど


「待って」


それを、私が止めた。


「どうした?」

「行くのは、伊織くんと私と凰成の3人じゃだめかな」

「え、なんで?」

「あんまり大勢で行くのもよくないと思うの。
かといって伊織くんだけでも不安だと思うし…

だから、私と凰成もついていく。
めぐと竜司くんはここでいい案、考えててくれないかな」

「わかった」


私の案に、めぐはすぐに了承してくれた。


「よし、行くぞ伊織」

「おう!」