私と結婚してください。



それから私は凰成の言われるがまま、かわいいかわいいきれいな色のドレスを購入し、ゴージャスなネックレスを購入し、超ハイブランドのバッグを購入し、

ここまででビックリするくらいお金を使った。
はっきりいって、ただの子供が親が払ってくれてるカードでこんなにでっかい買い物をしてしまっていいのかと、勝手ながら心配になってしまった。


そして極めつけにはおしゃれ~な美容室にて髪の毛を少しカットされ、綺麗に巻かれ、ふわっとまとめられ、
ついでに今日買った服や装飾品を身に纏い、軽く化粧もされて


「うん、上出来」


凰成プロデュースの私が完成した。


「と、時間がギリだな…
とりあえず送るわ」

「え、あ、うん」


もう、そんな時間か…
楽しい時間はあっという間だな…


凰成と彼氏彼女になれたとは言え、やっぱりあいつと会食は憂鬱で…
私の顔は自然とまた下がった。


「希依」

「…ん?」

「大丈夫だ。不安になんな。
右手出せ」

「え?うん」


素直に右手を出すと、凰成はその手を取った。


「見ろ。ここには吉良家の家紋が入った指輪がついてる。
だから自信持て。
今希依は吉良家のものだから」

「ものだからって…
その表現もどうなのよ…

…でもありがと」


そう、だよね。
私にも彼氏ができたんだもん。

これできっぱり断れるじゃん。そうだよ。大丈夫だよ。


「……でも、あいつの食べ方って本当に気持ち悪いから
それを見るのも憂鬱…」

「…それはどうにも…」


あいつ、なんであんなクチャクチャ食べるだろ。
しかもこぼすし…本当思い出すだけで鳥肌…