無事竜司くんにアイスを購入してもらい、アイスを受けとるのは私たちが引き受けて、主人の伊織くんと竜司くんは向こうのベンチに座っていてもらうことにした。
……っていっても、それも頼くんの意見なんだけどさ…
本当、頼くんはどこまでも伊織くんの執事だよ
「…なんだか、やはり慣れませんね」
「え?なにが?」
「希依さんがここにいるのに、吉良さんがいないことがです」
「…そうかな」
「どうして、姫を交換なさったのですか?
以前も言いましたが、西島さんに吉良さんの姫が勤まるとは思いません。
きっと、吉良さんだって希依さんに側にいてほしいはずですよ」
そういう頼くんは、いつもの優しさ溢れる頼くんと違って、少し感情的だった。
怒ってる…?と思えるくらいに…
「……実は、私も知らなかったの。
ほら、パートナー交換でバスケやったでしょ?あの前に凰成と竜司くんが2人で決めたみたいで…」
「……では、吉良さんが納得されたんですね」
「うん。そうじゃないかな」
それから頼くんは、アイスができるまでなにも言わなかった。
いつもと違う空気の頼くんに、私も話しかけることもできず…
「お待たせいたしました~」
その店員さんの声まで、無音の空気が続いた。
陽気に流れるこの音楽と、明るく可愛らしいこの店内には似合わない空気とオーラ。
とても話しかけることなんかできず、私は自分の分と竜司くんの分のアイスを受け取って、先にお店を出た。
でも、そんな私の横に頼くんがすぐに並んで歩いた。
「主人たちが決めたことに、私たち姫が口出しすることはできませんが
私は、吉良さんの姫をしている希依さんが好きです」
「……なんで?竜司くんの姫の私じゃ嫌い?」
「いえ、嫌いではないです。ですが……
希依さんは、吉良さんの姫だった頃の方が頑張っていました」
「え?」


