「じゃあこれな。
ちゃんと指にはめとけよ。」
な、にこれ…指輪?
「それは凰成の指輪。
凰成の姫だって言う証ね。
ちなみ、凰成の姫をやってる間に彼氏なんて作ったら罰があるから気を付けてね。」
「は!?え、ちょ、困る!」
「どうして?だってたった1年だけだよ?」
そう、だけど…
私の人生、この1年にかかってるんだよ…
「……私、やっぱりできない…」
「じゃあ学校を辞めるんだな。
そしたらお前は中卒、この先の人生真っ暗だな。」
……そうだよ。
でも…このままこいつに縛られてたら私はあの男と結婚しなきゃいけなくなる。
私はどのみちお先真っ暗なんだ。
それなら…こんなこと、したくないよ。
「ほらよ、退学届。」
もう、私は差し出された退学届を受け取るしかなくて
……こんなやつに振り回された事が悔しくて仕方なくて
私はもう、涙が溢れてきた。
「え、希依ちゃ「どうして私だったの?」
「は?」
「そんなに昨日の私が憎かった?
私、そんな恨まれることしたかな。」
もう、わけわかんないよ。
どうして私がこんな目に遭わなきゃいけないの…?
「退屈しのぎ。」
「は?」
「急に変なプロポーズしといて、俺にキレて
こんなに退屈しなそうなやつは初めてだったから。」
そう答える吉良凰成はやっぱり上から目線で
「な、にそれ…
暇潰しってこと?」
私のその問いに
「他に、どんな理由がある?」
バカにしたように笑った。


