「で、説明っつーのは
どうして球技大会を延期にできたのか、だけど」


「私が怪我したからじゃないの?」


「ばーか。
姫が自爆で怪我したからって延期にするほど、神楽は甘くできてねぇんだよ。」


「確かに。…じゃあ、どうして?」


私が怪我をしたから延期になったのに、私が怪我したくらいじゃ延期にならないなんて変な話だし…


「理由は、どうして運動神経のいいお前が階段から落ちたのか、だな。」


……あぁ、そういうこと…


「頼が調べた。…突き落とされたんだってな」


「...うん」


「もうここまで言えば、理由なんか言わなくてもわかるだろうけど
俺ら主人の言動で姫が怪我をする、それは俺ら主人に責任がある。

だけどそれだけじゃなくてな
どんな理由があったって、人を階段から突き落としていいわけはない。
理数科のやつが神楽の人間を突き落としたんだ。理数科のやつのせいで、俺ら神楽の成績が落とされるなんてあってはならないし

お前を蹴りおとした河合夏希の担任が、体育の教師なんだよ。
なら、話は早いだろ?」


「……なるほど、ね」


カメラかなんかついてたのかな……
そのときの状況や相手なんかはもう凰成たちも知ってるってこと、か…


「ごめんな、俺らのせいで怪我させて」


…だから、さっき『早く謝らなくていいのかよ』なんて竜司くんが言ってたのか…


「…いいよ。そういう言動を直していくのも姫の役目みたいだし
相手の子達の言い分はすごいわかったから、結局私が悪かったの。」


だって、自分中心に世界は回ってると思ってる世間知らずの御曹司に世間の常識を教えるために、私がいるんだもん。


「いや、俺らが悪かった。
今回のことは、さすがに俺らも反省したから。

……今度からは無理しないで、ちゃんと言えよ。」


「うん、わかった。」


凰成がこんなに反省してるなんて、今まで見たことないもん。
私に謝り、心配して、サポートまでしてくれている。

そんな凰成を正面から認めるよ、私も。