「…私部屋行くから」
今は凰成の顔を見るのも嫌で、部屋の中では邪魔な車椅子をここに乗り捨てて、車椅子についてた松葉杖をついて私の部屋へと向かった。
「ちょ、希依ちゃん大丈夫!?」
「別に大丈夫。すぐそこだから」
いちいち竜司くんが心配して来てくれるけど、今はそれさえも不快。
いちいち構うな。ほっといて。
「まぁまぁ、そんなツンツンしないでよ」
「別にしてない。足痛いの。休ませて」
それだけいってさっさと部屋に入ってさっさと鍵を閉めた。
「凰成~、希依ちゃんめっちゃ怒ってんじゃーん
謝らなくていいのかよー」
……なんか、ドアの向こう側で竜司くんの声が聞こえるけど
謝る?あいつが?私に?いったい何を?
意味不明。
あぁ、私を怒らせたことか?それなら納得だわ。
どうしてあいつは速水にはキツイことばっか言うんだよ。
……どうして速水はダメなんだよ。
速水はあんなすぐに帰したくせして、どうしてお前の友達はまだいるんだよ。
どうして玲子さんはまだ部屋にいるんだよ。
サポートしてくれる速水には30分で、どうしてあの人は長い時間、ここにいられるんだ。
その差別が、腹立たしくて仕方ない。
自分は友達と自由に会って、話して、
どうして私はスマホも使えなくて、友達と会う時間すら制限されなくちゃいけない?
姫だから?
納得できないよ……


