私と結婚してください。









なんとも言えない、楽しそうな空気の車内、私の周りだけが曇っていて
気まずさ全開なのに凰成に気づいてもらえることもなく

足も痛いのに心まで痛くなってて


全然晴れないまま、学園まで戻ってきた。


「希依!!」


そんな曇り顔の私を晴らすかのように、理数科の校門前には私の大好きな人たちが、私を待っていてくれた。


「……椎依?どうしたの」


「足大丈夫!?ママから希依が怪我したって聞いて気が気じゃなくて…」


……ほんと、椎依は変わらないなぁ


「へへ、大丈夫!すぐ治るよ」


大好きな大好きな私の相方。
私の分身の椎依に会えただけで私の心は晴れる。


「つーか階段から落ちるとかどんだけ残念なんだよ」


「っていうかなんで速水までいるわけ?」


「椎依ちゃんが行くなら当然俺も行くだろ!!」


「ハイハイ、わかりましたよ」


椎依だけじゃなく、いつも一緒の速水までいて、私の心はまたちょっとだけ晴れる。

ちょっとだけ、ちょっとだけだけどね。


こうやって心配して遠いのに理数科の校門まで来てくれる妹と友達がやっぱり大好きだ。


「めぐも来るはずだったんだけど、めぐ今日日直で先生に捕まっちゃって来られなくて残念そうだったよ~」


「まぁ仕方ないよ。
でもめぐにも会いたかったな~」


「はは、そうやって伝えとくよ。

それとこれ、希依宛に私の部屋に届いたよ。
CDじゃない?」


「あぁ!そう!そうだった!
明日発売日なの!」


忘れるところだった。明日は大好きな大好きな大好きな…椎依と同じくらい大好きな歌手のCD発売日。

ファンクラブだと前日に届くから、いつもファンクラブで買っちゃうんだよね。


「ったく、私の部屋宛に届いたんだからね?
ちゃんと届け先の変更、しときなさいよね。」


「はは、ごめんごめん。
あー、なんか走って部屋に戻りたいよ。」


「ハイハイ、じゃあ早く戻りなよ。
またご飯行くときは連絡してよね」


「うん!
じゃあ椎依、速水またね。」