私と結婚してください。




考えていても仕方ないので、黙って凰成が車椅子を押すのを待っていると


「凰成!」


なんか、知らない子が応接室へと入ってきた。


「え、玲子?なんでいんの?」


「ちょっと用事でね。
凰成が来てるって言うから急いで来ちゃったよ!」


誰だかわかんない、けど
とにかく綺麗と言うより可愛くて、本当に可愛く笑う、可愛らしい女の子。

私とは真逆の…本当に女の子らしい女の子が。


「すげぇ久しぶりだな。いつぶりだ?
春休みはいなかったもんな」


「年始に会ったじゃーん!」


「え、意外と最近だった」


……誰、かはわかんない、けど……

………こんな凰成、見たことない。
と、いうか…私以外の女の子に話してるとこ、初めて見たなぁ…

優しいときもあるけど…私にはやっぱりキツイ時の方が多いから



こんな、常に優しい凰成の笑顔なんか

見ていたくないや。