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「やはりヒビが入っていますね。」
検査が終われば検査結果。
明日出れなかったらどうしよう、なんて心配してた私だけど
「……軽くですか?」
「いえ、わりと深めにヒビが入っています。
さぞかし痛かったでしょうね」
…うん、痛かったよ。痛かったんだけどさ
バレたくないって思いの方が強かったよ。私は。
だって明日の球技大会、出たいんだもん。
「3週間は激しい運動は避け、安静にしていてください。」
……でも、明日どころか
一ヶ月待たないとダメみたいです。
「松葉杖と車椅子をお貸ししますね。
お薬も出しておきますので、痛いときは我慢せずに飲んでくださいね。」
「……ハイ。ありがとうございました」
しっかり処方せんも受け取り、私も応接室へと通される始末。
なぜここなんだ。薬もらいにいかなきゃなのに。
「あ、お疲れ。
ひどかったか?」
「んー、やっぱヒビみたい。
3週間安静にして、リハビリして、運動はそれからだって。
……明日どうしよう…」
「処方せん、貸せ」
「え?うん」
貸せ、というので凰成に渡したのに、凰成の手からすぐに凰成に付きっきりの…付き人?執事?的な人に渡り、執事的な人はすぐに部屋から出ていき
……うん、言わなくてもわかるよ。
あの人が薬を取りに行ったんだよね。
「さて、帰るか」
「え?うん」
でもあの人は待ってなくていいの?
あの人はどうするの?
ていうか、あの人がいなくて車は動くのか?
「……あれ、お会計は?」
「他のやつが勝手にやる。
親同士が知り合いだからどうにでもなる」
あ、そうですか……
そういうもんですか
……そういや保険証すら出してないけど
それはさすがにダメなんじゃないか?
学校に出したコピーを使うのか?親のところまで誰かが取りに行くのか?
……わからないことばっかだな。


