「あ、明日…、出れなかっ、たら…どうしよ…」
「……希依」
私が泣いてる場合じゃないのに、迷惑ばかりかける姫で嫌になってるのは凰成のはずなのに
凰成は、また私の名を優しく呼んで
「んっ…」
また、優しく優しくキスをする。
最初の頃とは違う、本当に恋人みたいな……
時間を忘れさせる、キス
━━コンコン
そんなキスに、すっかり涙も止まった頃
凰成の部屋のドアを叩く音が聞こえて、私の唇から凰成が離れ、優しい優しい笑顔を見せて、優しく優しく私の頭に手を乗せて
ドアへと向かっていった。
に、しても
な、なんだったんだ!今のキスは!今の笑顔は!!
も…、心臓がとんでもなく強く動いてて死にそ……
「希依、車椅子来た」
「……あ、う、うん…」
落ち着け、私の心臓……
「ん、立てるか?」
「大丈夫だよ」
ベッドに車椅子をぴったりとくっつけてくれたから、私は痛くない方の足でベッドを降りた。
本当に大丈夫なのに
「━━っ、」
凰成がいちいち腰に手を回してきたりするから、私の心臓は爆発寸前だ。
「よし、行くぞ
もう車来てるはず」
「う、うん」


