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「じゃあまた飯のときな」
そう言って凰成がドアを閉め、なんとか部屋到着。
「……ちょっと、休んでもいい?」
「そんな疲れたか?」
「つ、疲れたよ!
伊織くんしつこいんだもん!!」
「なら2戦連続でやんなきゃいいのに」
「だって伊織くんに負けたくなかったんだもん」
……なんて、言い返してる場合じゃないよ。
早くベッドに…
「……じゃ、またあとで
なにかあればPHS鳴らして」
それだけ言って、私は一歩一歩、私の部屋を目指す。
あと少し、あと少しでベッドだよ。
痛いなんて、忘れてしまえ。
ほら、もうドアだ。
「……じゃあ」
自分の部屋のドアを開けて、正直もう笑顔を作るどころではなくて、痛みが強くて冷や汗がひどくて
凰成の顔は見ることもできず、私は部屋のドアを閉めた。
「……った…、」
あと少し、あと少しでベッドだったけど
……もう、ベッドまで耐えられなくてその場に座りこんだ。
人生でこんなに足が痛んだことがなくて、とりあえず靴下を脱いでみたら
「…気持ち悪」
足の甲が赤黒く腫れ上がっていた。
きっとどこかに強くぶつけちゃったんだろなぁ…
「大丈夫、大丈夫…。
明日にはきっと良くなってるよ。
大丈夫、今だけ…」
━━カチャっ、
「った、」
えっ……
「なにしてんだよ、希依」
「……凰成こそ、なに…」
ついさっき、またあとでって言ったのに凰成は私の部屋のドアを開けた。


