ま、待って!

まさか、先生がロミオを!?

まさかね………。


「先生、これロミオ衣装です」

まさかね………?


「セリフ入ってますか?」


やっぱり先生かぁーっ!

「じゃあ、最終確認するよ!」


なんか気がひけるなぁ。

でも………!


*

「おおロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」

絶対に舞台は成功させる……!


ーーー

「ああジュリエット、どうしてまだそんなに美しいのか?」

もう終盤。


次はキスシーン。

フリだってわかってるのに、ああもう!緊張する!


閉じていた目を少しだけ開き、舞台の様子を見ようとすると、先生の顔が間近に。


先生と私の距離、10センチ、5センチ、3センチ、2センチ、1センチ…………。

あれ?フリなんじゃ…………0センチ。


………~~~っ!

わ、わわ、私、先生とキスして………!


--パチパチパチパチ。

あ、拍手だ、劇、終わっちゃったな。


演技、ちゃんとできてたかな、私今、絶対顔真っ赤だ。


いつもこうやって、先生の言動に、揺れまくってる。

こんなんじゃもう、抑えられないじゃん。


「悪い、寸前で止めるつもりだったんだが」

何その顔、先生照れて、可愛すぎだよ。

「先生」



----------先生、大好きになっても、いいですか………?