「先生」


「どうした?」

今日日直である私は、先生の手伝いで、準備室に来ている。


---------2人っきりで。


私は、抑えきれないドキドキを、言葉に変えた。


「好きになっても、いい?」

そう小声で呟いた。


先生は驚きの表情で、私を見つめる。


先生、こんな冷静そうに見えても、きっと凄く取り乱してる方なんだろうな。

………って!


私、今何て言った!?

好きになってもいい?なんて、バカみたい…。

断られるに決まってるのに………。


「悪いが、お前の気持ちにはこたえられない」


………。

「はい、わかってます。そうですよね…」


わかってた筈の答えなのに、どうしてこんなにも、胸が痛いんだろう。


私はうつむいてから、ごめんなさい、とだけ言って、準備室から出ていった。

ほんと、何してるんだろう。


自分で言って勝手に落ち込んで、先生も迷惑だよね。


だけど、先生の顔を見るのも、声を聞くのも、それだけで胸がいっぱいになる。

ほんと………。


………ずるいよ、先生。