「会長代行……わたしもご一緒させて頂けませんか?」

「いや、今日は総代と1対1で話したい」

「……承知しました」

「すまないな。いつも一方的で」

「そんな、わたしは少しも苦ではありませんから」

「そう言ってもらえると救われる。さてと、仕事にかかろうか」

「はい」

会長代行は下から上がってきた様々な山積みの決裁書に、目を通し決裁印を押していった。

それをわたしが各部署ごと、仕分けする。

「芹沢、これを急ぎで常務に届けてもらえないか」

会長代行がサッと茶封筒に入れた書類を受け取り「はい」と快諾して、わたしは室を出た。

庶務課の女子社員が社内便用の荷車を押し、各部署を巡回していくのを横目に、常務室を目指した。

途中、社医の元さんこと小笠原元就に会った。

「よう、元気でやっているか?」

「はい」

「由樹はちゃんと休憩をとっているか?」