ご老体たちの腹の虫を刺激してしまったと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

「作家先生たち。アイツ、ギャフンと言わせてやりなよ」

教務課からの会話に、受講者たちも興奮しているのだろう。

口々に感情を、言葉にし始めた。

これはもう、俺が止めても収拾がつかない。

俺が事務所に入っていこうと、踵を返すと肉厚の手が俺の手をギュッと強く引いた。

「結城くん、ここまで言われては儂らも奮起しなきゃならんよ、なあ梅川くん」

「西村くん、ジジイパワーを見せてやろうじゃないか」

俺は彼らを振り返り、彼らのすっきりとした笑顔に、思わず頭を下げた。

寛大な彼らの優しさに、胸が熱かった。

「ありがとうございます、伝えてまいります」

俺が西村先生の手を取り、そういうと西村先生と梅川先生は大きく頷いた。

「頑張ってきたまえ」