「結城に任せれば問題ない、結城に任せれば安心だ、そういう仕事をしてこそ結城コンツェルンだと、私は思っています」

キッパリと言いきった会長代行の覚悟に、胸がスカッとした。

「書類をお返しして、貴女に当たり散らすようなら、私がきちんとお話いたしますので、連絡してきてください。こちらが私のアドレスです」

会長代行は机上のメモ用紙に、ペンを走らせ、常務秘書に手渡した。

「それとも、これからご一緒した方がよろしいですか?」

常務秘書は6年も常務秘書をしているベテラン秘書だ。

検査部検査員から企画開発部を得て、秘書科配属になったと聞いている」

「いいえ。会長代行のご指示でじゅうぶん、会長代行の意向は伝わるものと思います」

常務秘書は返された書類をしっかりと、胸に抱えて、一礼した。

会長代行は会長代行に就任する前、社内の女性社員のデータを1通り閲覧したと聞いた。