【短編】空っぽのプール



「ふん」


私はそれだけ言ってから、空っぽになった25メートルプールに降りる。


「まてよ、大山〜怒んなって〜」


私の名前を呼ぶ、生温く伸ばした新屋の声に少し胸を鳴らした自分が嫌になる。



私は…。

私は暑いのに。


新屋といると、変な汗ばかりかいて。


すごく、熱いのに。


先生が持ってきてくれたホースで、空っぽになってるプールに水をかければ、私の足はすぐに濡れて、気持ちがいい。




「半分は昨日来た生徒がやって来てくれたから。こっからここ、2人でよろしくな」



先生は私にだけ軽く説明すると、私の返事を聞かないまま、管理人室に帰って行った。