「やっぱり泣いてんじゃん。俺より大山が嘘つきだ」
耳元で聞こえる新屋の声があまりにもよく聞こえすぎて、ゾクゾクっとした。
そして、心臓のドキドキがどんどん早くなる。
「俺、家のことで何回も気持ち押しつぶされそうになったこともあったけどさ、学校で大山見るたんびに、生きててよかったとか思ってたんだ。きもいとか言うな」
「…言ってないし」
「うん…」
それだけ返事した新屋は、私を抱きしめる手を強くした。
「ごめん、濡れてんのに」
「ううん。大丈夫」
そう言って、彼の背中に手を回す。
思ったよりも広い背中とか
思ったよりも強い手の力とか
目の前にいる彼が正真正銘男の子だと言うことを実感して、余計ドキドキする。
「今日くらいくっつくの許して」
「……新屋がバカなのはわかるけどさ」
「ん、聞き捨てならないんだけどなに」
「もしかして両想いかもって考えはないわけ。今こうやって私が抱きしめ返してもさ」
「……っ?!、好きなん?!俺のこと!」
バッと体を離した新屋は驚いた顔でそう言う。



