【短編】空っぽのプール



突然敬語で告白しだした新屋に私の身体中の熱さは最高潮。


「引っ越すんだ。親父が借金作ったまま消えてさ…家も売ることになって。母さんの新しい仕事場から近いとこに家族で住むアパートも見つかった」


新屋の告白は、私にはしゃぐ余裕を与えなかった。


そこには、教室で見る新屋はいなくて、1人で家族を守ろうとしてる1人の男の子だった。



「…そうなんだ」


わかんない。
何を言ってあげていいかも、どんな顔していいのかも。


「先生に頼み込んだら、今日の時間作ってくれて…さっきも俺のために嘘ついて…まぁ、クラス最下位なのは本当なんだけど…」



新屋が勉強できないのは…。


家族のために、お母さんの代わりに、2人の妹の面倒を見るためだったんじゃないかとか。


後から後から押し寄せてきて。