私たちの関係を思い知らされた次の日、ヒロトくんはバイトがあると言ってうちに来なかった。

突然シフトが変わったみたいだけど、本当は違うんじゃないかと疑ってしまう。
そんな自分にも嫌気がさして、ついため息が出て。
運悪く見ていた厳しい上司に咎められて、なんだか自己嫌悪。

ずるずると負の連鎖に引きずり込まれそうな夜更け、そんな私を引きあげてくれたのは本人だった。

『今日の代わりに明日休みもらえたので、迎えに行きます！』

些細な内容で、無意識にベッドの上で丸まり、鼻をすする。
なあんだ、わたしこんなにヒロトくんのこと、好きなんだ。
単純な自分をおかしく思いつつ、安心して瞼を閉じる。

明日こそ、素直になろう。

そう思ったのに。

「ご主人様、後片付けしてきますね」
「それは私が・・」
「いいんです、ゆっくりしててください。疲れてるんだから」

夕飯を食べたあと、せっせと片付けに入ろうとするヒロトくんを止めると、さらにそれを制される私。
昨日の夜、あんなにシュミレーションしたのに、無邪気な『ご主人様』を聞くと気後れしてしまう。